「⼤切な命の喪失が途切れることなく、 私の⾝体に積もっていく記憶は常に死の気配が寄り添う感覚を静かに、そして強く私の精神に宿しました。
主に素材として扱う⼤理⽯は太古の海洋⽣物の遺骸が⻑い時をかけて堆積、 変成、 ⽣成された物質であり、製作の過程で化⽯のような形象が稀に姿を現すことがあります。
かつて確かに存在した無数の命の痕跡を削り、 磨くという反復的な⾏為は私にとって⽣命の記憶に接続される時間であり、死と⽣や現在と過去へ向き合うための、儀礼的な
アプローチなのです 。
本展では私たちの 「命」 という現代社会において最も近い⾃然に向き合い、 そこに抗い続ける⼈類が⾒る⽣命観への葛藤と畏怖を彫刻へ昇華します。
秩序と無秩序という境界の狭間にいる私たちの在り⽅に問い、 多⾓的に捉え、 ⽰唆する試みを⾏っています。」
安達 響