top of page
張媛媛
ZHANG YUANYUAN

ZHANG YUANYUAN

張媛媛

画家/Painter
蜜蝋をメディウムとして顔料を混ぜて描く技法の起源は古く、二千年前の古代エジプトでは、ミイラの生前の肖像画が描かれ、それがミイラに貼り付けられていました。それは「エンカウスティーク」※と呼ばれる、熱によって蝋を溶かして定着させる古代の絵画技法です。

私は赤木範陸からこの絵画技法を受け継ぎましたが、それは色を使わず、亜麻布に蝋を染み込ませることで布に濡れたような色調を与え、陰影を描き出すもので、古代の技法とは異なっていました。

私はこの濡れた色調に、宋代の山水画の「大気と水」を感じました。二千年前の異国の技法で、千年前に私の国の先人たちが感じた「大気と水」を描きたいと思ったのです。今はささやかで身近な水を描くことに専念していますが、いずれの日にか、これから千年の後にも、私が生きた時代の「大気と水」の残像を伝えたいと願っています。

※エンカウスティーク(ドイツ語:Enkaustik)

bottom of page